ADMP 1997

 

GLOBALIZATION AND DEVELOPMENT:
Search for Boundaries between Market and Other Institutions for Effective Development
グローバル化と開発
効果的な開発のために:市場と他の体制間の境界を探る
目的

国際的な市場統合が急速に進み、国際取引の増加、多国籍企業のダイナミックな展開、そして国境を超えた迅速な資金の流出入など、私達は今、人類史上例のない事態を経験している。グローバル化は経済活動の新たな機会を創出し、生活レベルの向上を促した。しかしその一方で、グローバル化は実現可能な開発政策の選択肢を狭め、幾つかの社会問題を充分に対処しないまま放置し、その結果グローバル化の恩恵から取り残される国も多く出てきた。ある地域においては、地域統合がこうした傾向により拍車をかけている。

グローバル化は、国家間、企業間、個人間の比較優位や市場動向に人々をより注目させる要因となった。規制緩和や民営化のように、ある分野では市場原理が規制のメカニズムにとって代わり、同時に市場原理により則した新しい体制の構築も求められている。反対に教育やテクノロジーといった分野では、効果的な体制を構築することにより国家の競争的優位を重要視するようになってきた。しかし民族問題や宗教対立などの永年蓄積されてきた諸問題は放置されがちで、社会的、政治的動揺を引き起こしている。

先進国、途上国ともに、国家的開発を効果的かつ効率良く行なうためのみならず、取り組みの遅れていた社会問題に人々の目を向けるためにも、新しいグローバル化の時代に合った市場と他の体制とのより適した共存のあり方を模索している。本年度の開発援助共同講座(ADMP)では、市場と他の体制間の境界線に注目しながら、グローバル化や地域統合が開発におよぼす影響に関して掘り下げる。